日本酒好きな方にお勧めな資格「SAKE DIPLOMA」は御存知でしょうか?
2017年から、J.S.Aが主催している日本酒に関する資格です!
「『利酒師』っていうのも聞くけど違いは何?」
「試験の難易度はどれくらい?」
この記事では、比較的新しいこの資格の特徴と、「勉強の仕方」について実際の経験を基に執筆しています。
試験にチャレンジしてみたいという方は、参考にしてみてください!
SAKE DIPLOMAとは?
ソムリエ協会と言えば、ワインの資格で有名ですね。
現在の会長である、田崎真也さんが世界各国のワインを知ることで、より自国のお酒を知る必要性を感じ、新たに制度を始められたそうです。
2013年に「和食」が世界無形文化遺産になったことも発足の理由の一つだと言われています!
勉強してみて分かったことですが、SAKE DIPLOMAの資格は「世界中の人」に日本酒の魅力を伝える事に特にフォーカスしています。香りや色の表現がワインと同じような単語を多く使っている事からも分かります。
SAKE DIPLOMAを受験するには?
受験資格
受験資格は国籍、職種、経験ともに不問。
基準日(2022年だと8月31日)に満20歳以上であれば受験可能です。(※テイスティング試験があるため)
試験概要
試験は、7月下旬から8月末まで(2022年度)に1次試験に合格し、10月に開催される2次試験(テイスティング)に合格する事で資格取得となります。
1次試験はCBT方式と言われるコンピューター試験なので、自分の好きな日程を選ぶ事が出来ます。また、出願時に受験回数を1回か2回か選べます。
2次試験は、1年に1日しか実施されないため、チャンスは1度のみです。
費用はかかりますが、感染症なども心配ですし、ほとんどの人は2回受験を選択しているように思えます
受験費用
SAKE DIPLOMAの一般的な受験費用は、1次試験1回受験の場合29,600円(税込)、2回分申し込むと34,440円(税込)です。教本は受験料に含まれています。
(日本ソムリエ協会の正会員の場合は、それぞれ20,380円、25,220円と割引価格になります。)
利酒師とSAKE DIPLOMAの違いとは?
知名度の違い
SAKE DIPLOMAは2017年にスタートした新しい資格なので、一般的な知名度はまだまだ低いです。
一方、利酒師には歴史があるので、例えば求人広告などを見ると「利酒師」の文言の方が圧倒的に多いかもしれません。
受験費用の違い
利酒師は受験だけ受けるということは不可能です。必ず講座を受けないといけないため、割高になります。
※一番最安値のコースで比べてみました※
利酒師(1日通学コース) | SAKE DIPLOMA | |
受験料 | ¥58,800 | ¥29,600 |
認定料 | ¥25,000 | ¥20,950 |
入会金 | ¥19,000 | (¥10,000) |
年会費 | ¥15,900 | (¥15,000) |
初年度合計 | ¥118,700 | ¥50,550(¥75,550) |
利酒師の場合は、合格後にSSIに会員になって資格を維持する必要があります。年会費がこれから毎年必要と考えると、少し費用が気になるかもしれません。
一方、SAKE DIPLOMAは、合格後に認定料さえ支払えば、会員になってもならなくてもOKです。
難易度の違い
難易度はSAKE DIPLOMAの方が圧倒的に高いと言えます。
「利酒師」の合格率が80%前後なのに比べ、「SAKE DIPLOMA」の合格率は40%強と言われているからです。
特にSAKE DIPLOMAの一次試験は、教本の細かいところから問題が出るので、しっかり勉強しないと合格できません。
オススメはどっち?
2つの資格を比べて大きくまとめてみてオススメはどちらでしょうか。
仕事関係で資格を活用したい時のオススメ「利酒師」
仕事としてなら、費用も経費として計上できるかもしれません。何より知名度は利酒師の方が高いのは事実です。
趣味で日本酒を勉強したい時のオススメ「SAKE DIPLOMA」
合格後に資格維持の費用も必要なく、講座を受講せずに独学でも勉強できるからです。特にSAKE DIPLOMAは、ソムリエの資格試験後に取得する人が多い資格です。難易度は高いですが、勉強や試験のスタイルが似ているので取得しやすいともいえます。
私はSAKE DIPLOMAを選びました!これから知名度が上がって仕事にも生かせるようになることを願ってます。
SAKE DIPLOMAで勉強すること
SAKE DIPLOMAでは、日本酒の造り方、及び産地の特徴、テイスティングの方法について学びます。
・醸造や蒸留の理解
日本酒のつくり方です。麹、酒母・・とは何か?何日かけるのか?最適なお米とは何か。
また発酵に必要な酵母や菌についても勉強します。
・主要生産地
日本各地の日本酒の生産地の概要、地理、歴史について学びます。
焼酎・泡盛に関しても歴史や主な産地での特徴について知ります。
・ペアリング・サービス
相性の良い料理や、ふさわしい酒器についても学びます。
提供する時の温度についても詳しく学びます。
・テイスティング
主に二次試験で関係する事ですが、一次試験でも概要は勉強します。
国際的に通用する用語を主に使うので海外の方に紹介する知識にもなります。
SAKE DIPLOMA試験対策(一次試験)
一次試験の難易度
SAKE DIPLOMAの教本は、いわゆる「ソムリエ試験」の教本に比べれば薄くて見やすく、余白も広いです!そのため簡単に読めますが、その分、重箱の隅をつつく様な問題が多く出てくるのも事実です。
教本を読んで理解するだけでは、試験対策としては難しいかもしれません。
一次試験の対策
時間があまりなく1年で合格したいなら、確実な方法は「とにかく問題を解く」ことです。
ここで「SAKE DIPLOMA」のオンラインアカデミーを選び受講しました!費用は¥38,500(税込)です。(2022年度)
講義も勉強になりますが、なんといってもCBT試験に準じた「練習問題」が秀逸です!
繰り返しになりますが、この試験はひたすら問題を解くことが合格の鍵です。
少しでも時間が空いたらアプリで問題を解くようにしましょう。何度も解いていれば、問題も覚えますし、本番も同じような問題が沢山出るので、落ち着いて受験することができます。
一次試験合格後の感想
最後に、今年一次試験を受験した感想です。
私は昨年度、JSAワインエキスパートを取得しましたが、その時に比べれば勉強時間は1/5ほどです。
・範囲が狭い
・日本語なので、覚えやすい
・JSAの試験勉強のコツは昨年つかんでいた
しかし難しい漢字がいっぱい出てきますし、小学校や中学校で学んだ「地理」や「歴史」の知識がかなり必要になります。
「16世紀後半は何時代か?」
「東北で最大の平野は?」
直接こういった問題が出る訳ではありませんが、これを知らないと答えられない問題が多いのです。まずは、そういった知識を思い出すところからスタートしました。
とはいえ、前回と同じく、自分なりにまとめて、アカデミー・デュ・バンの「問題をひたすら解く!」というプロセスで勉強をしました。
勉強すると、日本酒のラベルの意味が分かるようになって本当に楽しいです!日本酒というお酒の奥深さを知りました。
これからのSAKE DIPLOMAに期待!
まだまだ知名度は低い資格ですが、年々受験者は増え続けています。
またSAKE DIPLOMA internationalという英語版もあり、今後さらに伸びていく事が期待されています。
日本酒に興味のある方は是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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